「定常状態ーを越える」べく 「○」と何人かが音楽全般ほかよろず語り下ろし中!! / 「すべての表現するココロに捧ぐ」べくお送りしています つねに更新中!maru1978eonta@gmail.com!
by maru-eo 生きてく日々のメモ
文脈を参照して内容を割り引くことを「批判」と言います。
批判というと日本では攻撃と勘違いされがちですが、違います。 批判とは、隠されていた前提を明るみに出し、前提を取り替えると成り立たなくなることを証明して見せる営みのことを言うのです。 ●○●○●○●○●○● 宮台真司 07年12月22日 カテゴリ
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ハービー・ハンコック『洪水』(1975) H・ハンコックこそマイルス以後のジャズの中心人物なのだろうか。あまりそうは思いたくないのは、そのまんまの志向の作品が最近は多いわりにさして良い作品でなかったりするからだが、やっぱりハンコックなのだろう、と思えるのはこういう作品があるからだ。1975年の日本でのライブ盤。ベースにポール・ジャクソン、ベニー・モウピンがサックス等で参加。会場となったのは渋谷公会堂と中野サンプラザ。 この妖しく蠢く感じ。きっちり構成しようとすれば容易にできてしまうんだけど、それを壊してナンボというジャズ至上主義宣言。若くもなく思い通りにできるようになったハンコックはジャズとファンクをプログレ化してガンガン突き進む。〈カメレオン〉なんてまるで歌わないマイルスみたいな勝手ぶりだ。そこではポール・ジャクソンがリズムとリフで歌うのだが、その執拗さがまさにファンク。 とはいえ、まだまだ物足りないんだな。すごく性能良くてクルーも悪くないんだけど、船長がいないみたいな。ハンコック副船長が会場を暖めて急場をしのぎますんで、という主役が不在感。リズム隊としてのハンコックがすばらしいことは1960年代からわかっていたんだよ。ジャズとファンクを乗せた巨大な船を動かしてはいるんだけど、目的地なしなのである。最高のフュージョンではあろうが、ジャズとしてはイマイチ。ジャズとは無数の最高の一瞬一瞬がつねに更新されていくものだろう。 ハンコックは音楽性も豊かだしとても有能な演奏家でもあるんだけど、音楽家じゃないんだよね。創造しないというか、歌わないんだよね。そこがジャズの苦悩のはずなんだが、彼は苦悩しないんだ。
by maru-eo
| 2005-02-05 15:06
| JAZZ
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