「
愛のテーマ」
愛は待つことなのよ 辛くても待てるものよ
愛は奪うものなの そのときは炎よ
夜が少しずつ明けてゆく 二人だけでみている
風がこの胸に沁みるの そんな時刻なの
愛は耐えることなの 耐えながら終えるの
愛は激しさなのよ 惨めさもかき消すのよ
愛は翼をつけて 意味もなく飛べるの
だけど幸せは短くて 不幸せは 長いの
だけどなにもかも投げ出して あなた愛してる
愛はムゴいものなの ムゴくても好きなの
安田明とビートフォーク
『サヨナラは出発の言葉』所収。
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2分53秒の永遠の愛のマニフェスト!
これはもう生活者の思想の表明といって良い。
日本版歌うシモーヌ・ヴェーユみたいな。
「フフフッフーー」コーラス、寄せては返すオケの音(きれいな音だ)、エレキギターのカッティングと、ジャブを打ちつづけるようなベース。
他にも、ふるさとを捨てた女性歌手が「ママ ごめんなさい 好きな歌に望みをかけます 死んだつもりでがんばりぬきます」と7分に渡って捨てた母親とふるさと恋、選んだ歌への思いのたけを歌うM3「或る青春」!とかすごくてムゴイのばかり。「死んだつもりでがんばる」って初めて聴くよ。
地に足ついた思想生活者も「
愛の翼で意味なく飛べる」。日本近代民衆思想の一級資料となるべし。詩としてもすばらしい。アマゾンでふつうに買えます。