ホンマタカシ (プチグラパブリッシング・2005.1)
大竹昭子(ジャーナリスト)との「写真術」は
ここ。最近は中平卓馬を追っかけた映画 ? や写真集で話題をまいたひとだが、これが何冊目の写真集とかわかりません。わりに最近のブツのハズ。
写真というのはかなりナントモイエズイインデスくらいしかいえなさそうな、まあ飯沢耕太郎とかは別にして、メディアであり表現ジャンルである。中平氏はああいうことになっているし、篠山紀信はあいもかわらず精力的に全身目ん玉で、アラーキーはいつまでも哀しい天才でありつづけるだろう。で、その下の世代である。オレは平間至とあまり区別がついていない不届き者だが、ホンマ氏は
『東京の子供』、
『自分にふさわしい場所』の人ですね。これらは観ました。
東野翠れんというなかなかにフォトジェニーな女子をロシアあたりを旅しながら撮ったもの。これは良い。観光地写真に終わらずに、風景の中に写り込んでいながらしっかりその異物感を醸し出せているのは写真家のチカラであろうと思われる。ロシアの港町のなんと美しく、儚くてチカラを秘めていそうなことよ。そこに異邦人として佇む翠れんなる女子の笑顔は、旅行者のそれでもなく、モデルという麗々しさでもなく、ひとりの表現者の顔ツキをしている。良い写真集です。藤代冥砂が撮ったモデルの彼女(奥さん ? )のやつ、長島有里枝がダンナのコンドーム撮ったのより全然好きよ。こっちには言葉にするのがほんとうにむつかしい写真で表現するのがいちばんふさわしい表情や風景がたくさんつまっているから。よ。