「定常状態ーを越える」べく 「○」と何人かが音楽全般ほかよろず語り下ろし中!! / 「すべての表現するココロに捧ぐ」べくお送りしています つねに更新中!maru1978eonta@gmail.com!
by maru-eo 生きてく日々のメモ
文脈を参照して内容を割り引くことを「批判」と言います。
批判というと日本では攻撃と勘違いされがちですが、違います。 批判とは、隠されていた前提を明るみに出し、前提を取り替えると成り立たなくなることを証明して見せる営みのことを言うのです。 ●○●○●○●○●○● 宮台真司 07年12月22日 カテゴリ
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■ビョークはいつだってビョーク 彼女のすごいところは、自分の感情をそのまま音楽を通してわからせてしまうところである。 詞にみられる言葉の使い方もオモシロイ。的確で、なおかつ力強くてチャーミングだ。 自分の思っていることを、そのまま世界に出現させて、しかも他人にも伝えてしまえるというのは、あんがいと危険なことかもしれない。とくに怒りや死にたいような気分の場合は、聴き手になんらかの影響を与えてしまう可能性があるだろう。 じっさいにおおむかしの音楽や地域に根ざした音楽、20世紀のブルーズ70年代ロックなどは、おおくの被影響者を生み出してきただろう。 その点ビョークが安全で、ネガティブじゃなくてポジティブな感情を聴き手にもたらすことができるのは、たぶん彼女の音楽にたいする感受性の所為である。 ビョークの根っこにはアイスランドの子守歌があり、アコースティックのジャズがあり、オーケストラのハーモニーや、ハープがある。それらを組み合わせたり、自分の思ったとおりの音を出せるコンピュータがある。 ひとつの音楽性に縛られる人は、やはりその音楽が培ってきた感情にも縛られがちだ。一時期のルー・リードがアングラ・ネガティブロックにはまったりしたのはわかりいい話しだ。クラプトンでさえブルーズを歌うときには、子どもの頃の悲しみを湛えているように思う。 だから、ビョークがシュガーキューブスというバンドを出て、一人になったことは彼女のそれから続いている長く充実したキャリアを考えれば、当たり前でもあるし、とても賢明で果敢な判断だった。 80年代後半から90年代初頭の音楽のなかに埋もれるか、それとも自分の考えるように音楽それ自体を変えるか。 ビョークは、長い音楽の歴史のなかで、形式や響きを自分で思うように変え・操り、そこに自分だけの感情を注ぎ込むことの出来るいかにも20世紀的な音楽家だ。 個人と世界が対峙して、個人の中ではどこまでも個人が勝っているようでありながら、じつは世界の側がそべては思い通りというように振る舞う状況下で、彼女は一人音楽を操りながら、個人の感情を高らかにチャーミングに歌い上げる。 そうしたビョーク全体を考えると、この作品集は世界と格闘するビョークと当時の彼女を取り巻いていた一群のひとたちによる、ウォーミングアップだ。 小手調べはこのくらいにして、古い世界に縛られる一群を振り捨てて、ビョークはもっとビョークになろうとした。 その後の活躍は、誰よりもオレたち聴き手がよく知っている。 というわけで、この盤はビョーク入りと、ビョーク抜きの2つの側面から楽しむことが出来る。ポップバンドとしてのシュガーキューブスっていうのは、なかなかにオモシロイ。オレ個人としては彼らがビョークを縛り付けているとも思わない。イイグアイにフレキシブルでアイデアフルでなバンドだ。全体のハーモニーも豊かだし、ユーモアセンスもある。あえて難を言えばリズムの幅が狭いことくらい。あとは隣で歌っている男の声をウルサイと思うかどうかだな。それはただの嫉妬のようでもあり、バンド自体のポテンシャルと可能性のすべてなんじゃないか。 いまのビュークはあんまりにもビュークで・・・、というあまのじゃくは聴いたら楽しいぞ。 1.バースデイ 2.コールドスウェット 3.ママ 4.モータークラッシュ 5.デュース 6.レジーナ 7.パンプ 8.プラネット 9.ウォーター 10.ヒット 11.ヴァイタミン 12.ウォークアバウト 13.ゴールド 14.チワワ
by maru-eo
| 2006-02-25 16:49
| ビョークの研究
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