ポニーキャニオン
落語芸術協会初代会長。明治32(1989)年10月生まれ。42年11歳の時に初高座。6代目? 1979年没。
ハナシの中身と言うより、ハナシ方自体が面白い。落ち着いた低音での語り口は桂文楽に近いものを感じる。
M1は怪談ものらしいけれどもまったく怖くない。登場人物がどんどん出てきて、しかもみなちょっとオカシいというのは、桂文楽の「寝床」にも似た雰囲気でオレは好き。「寝床」が螺旋状にアガっていくアッパー系の狂い方だとするとこっちは、来ては過ぎの入れ替わり立ち替わり。完成度の高さよりも、あっけらかんといつでもやってしまえそうなところがヨイ。「ネコとシタ」「タヌキとシタ」といったところでおおらかに笑う女性のお客の声もヨイ。1975年だもの、いまとはちがうのかしらん。
M2は、碁狂いたちのハナシ。入込みすぎて泥棒がそこにいてもまあいいや「またいらっしゃい」と言ってしまう。これもまたちょっとイキすぎちゃった人たちの話。
何度もリピートして聴いてしまう。
1.野ざらし (昭和40年7月31日、東宝名人会)21.55
2.碁どろ (昭和39年10月31日、東宝名人会)20.40