「定常状態ーを越える」べく 「○」と何人かが音楽全般ほかよろず語り下ろし中!! / 「すべての表現するココロに捧ぐ」べくお送りしています つねに更新中!maru1978eonta@gmail.com!
by maru-eo 生きてく日々のメモ
文脈を参照して内容を割り引くことを「批判」と言います。
批判というと日本では攻撃と勘違いされがちですが、違います。 批判とは、隠されていた前提を明るみに出し、前提を取り替えると成り立たなくなることを証明して見せる営みのことを言うのです。 ●○●○●○●○●○● 宮台真司 07年12月22日 カテゴリ
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『あの頃のこと』(ソニー・マガジンズ 2004) 写真家としての川内倫子という人は、とてもメンドくさい。あまり写真の撮影技術や現場の苦労とかわからない部外者にとってはボヤァとしてて淡い色調できれいだなあくらいのもんである。 『花火』は花火をきれいに撮っただけなようだし、『うたたね』はちょっと野心的だが基本的にボヤァできれい、は変わらない印象だ。 この是枝裕和カントクが撮るところの映画『誰も知らない』(シネカノン)のなんといったらいいかシネブック? 関連販促グッズ? は「あの頃」=バクゼンとしたこどもの頃をモチーフに写真と文章でまとめられたもの。巻頭の文章と写真を川内氏が担当している。 なかなか豪華で気の利いた作りにもかかわらず1900円と手ごろだから、執筆人のなかに好きな作家とかいたら買ってもよさそうな本だ。そうでないのもあるが本書のための書き下ろし多数。問題は大部分を占める写真だ。もちろん書物の値段に占める割合においてもそうだろう。映画の関連企画であるがゆえにその写真が多いのは当然かも知れぬ。しかしてここに収められた川内氏の写真はビミョーである。 なんともいえないすわりの悪さ、あるいは気持ち悪さ。これはなんなのだろう。映画のなかで描かれる風景なのだろう、を撮った写真だが、映画を見ていないものにはけっきょく何を表現したいのかがさっぱりわからぬものばかりなのだ。気持ち悪さは画像がかもし出すものではなく、映されるモチーフと撮る側の関係のあいまいさが見ている側に伝わるところから来るのではないか。ここでは川内氏のほかの写真集で見られる写真以上に気持ち悪い。 本来ぶつかってもよさそうなものがぶつかっていない。なにかを表現すべく作られた世界を、そこに入ることなく覗き見るように撮られた写真たち。川内氏の写真はおおむねメンドくさいものが多い。『花火』は「花火を見ている人たち一般の心情」みたいなありもしないものを撮ったような印象だった。『うたたね』もオブラートに包まれた「死」といわれるものを、オブラートに包んだまま撮影したような写真集だった。ようするに淡い色調で見ている側に考えさせようとしているようでありながら、その実そこにはなにもないのだ。だから、気持ちをこめて見ればみるほどメンドくさい。 この本だけで言えば、川内氏の写真と文章だけがその、けして縮めようとは思ってなさそうな距離感を示しているがゆえにとても気持ち悪いのだろう。川内氏だけが浮いている。その作家性(?)ゆえに。ぼくはそんなもの作家性という気はないが。 後ろに収められた文章は是枝監督、やまだないと、しりあがり寿、湯本香樹実などがそれぞれに「こどものころ」について書いていてなかなか面白い。いかにも作家たちの競演という感じで本来の作品を読むのとはちがう楽しみがある。個人的には中村和義と島田理生のが良かった。たぶん世代が近いせいもあるだろうが。中村のは久しぶりにやっぱりこいつ天才かもと思ったし、島田さんのは「貧乏」ってのが意外だったうえに堂々とした表明がたのもしく気持ちよい。 書物としては、昨今の写真家に見られる半端な個性が迷惑をかけているというきびしい印象を受ける。もちろん“きびしい”のは見ている側が、である。
by maru-eo
| 2005-01-16 21:05
| 写真のお勉強
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