三橋誠 1977.11.21
シバこと三橋乙耶(誠)。日本人の随一のブルースマン(by高田渡)。ニッポンで言うところのブルースはいわゆるブルー“ズ”ではないとはよくいわれることだけれど、では「ズ」をやる人とは誰なのか。山岸準史? 近藤房之介? いやいやシバである。
『青い空の日』がなんともキャッチーだったのに比べると(こういう感覚がわかる人が同時代なんだろうなあ、みんな)こちらは聴き手をもっと狭めるかもしれない。勝手なことを言えば、向こうは四畳半フォーク風シバ的ブルーズだった。こっちはシバこと三橋誠のブルーズである。梶井基次郎で言えば「のんきな患者」か。ブルーズを抱えながら世界を眺めている。♪
風と共にいっちまいな 今夜 ××の木が目を覚ましたならさM8。ニッポンのカントリーブルーズシンガーである。
ギターの音を聴くだけでも、この作品を聞く価値があると思う。メタルに枯れたスライド、ウォーキング・リズム、掠れたチョーキング。日本人のものでこんなの聴いたことがない。そうして限られた曲でしか聴けないが、マウスハープもすごい。サニー・テリー風の口腔をいっぱいに使った音である。これをギター弾きながら吹いているならほんとすごい。Gラヴとハープ対決してくれ。
1.スターダスト・ソング
2.いつでもブルース
3.家路
4.グッド・ナイト・ブルース
5.武蔵野回想
6.挨風
7.星の明日
8.深い夜
9.バイバイ・ブルース
10.古典古典
11.四日目に見た夢
12.思い出