指揮:パブロ・ カザルス
演奏:マールボロ音楽祭管弦楽団, プエルト・リコ・カザルス音楽祭管弦楽団 1988.10.21
20世紀を代表する世界的チェリスト、カザルス指揮によるモの交響曲。正直どこのどの響きが素晴らしい、というのではない。なにかこう、バカッ正直な指揮振りである。Disc-2の「プラバ」冒頭なんて腰抜かすようなスットコドッコイ振りである。打楽器も腑抜けっぽくもある。率直に言うとトロいし、タルくて、指揮者としての卓抜なる才能は感じられない。K.543なんて聴いていられない。
が、しかし、だ。この丁寧さはなんだろうか。迫力は不十分ながらもしっかり鳴らしてはいる。モーツァルトが曲を書いてから150~200年ほどしてチェリストの指揮によってこんなにも滋味溢れる響きが得られるとはねえ。
Disc-1
1-4.交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」 1967.730録音
5-8..同第36番ハ長調K.425「リンツ」 1959,夏
9-12.セレナード第13番ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 1967.7.16
Disc-2
1-3.交響曲第38番ニ長調K.504「プラーハ」 1968.7.14
4-7.同第39番変ホ長調K.543 1963.7.12
Disc-3
1-4.同第40番ト短調K.550 1968.7
5-8.同第41番ハ長調K.551「ジュピター」 1967.7.15