たとえば2000年代のいまモモエを感じるときというのは・・・。
1.『ちびまる子ちゃん』でまる子がTVで歌うモモエに「百恵ちゃ-ん」と目を輝かせる。
2.ウン万円もする山口百恵BOXセットを高度中産階級化したモモエ世代の人々が買いヒットする。
3.モモエ本人をうんざりさせた『赤い』シリーズがTVでリメイクされる。
1.はモモエ世代の女の子の典型的な像。3.は明治学院におけるシンポジウムでも語られたとおり内容は取るに足らぬメロドラマであり、TVドラマ業界のネグサレっぷりを示すとともに、作り手にとってはモモエ抜きのモモエ萌え現象であるだろう。受け手にとっての意味はどうか。還流ブーム的純愛・メロドラマ層を狙い打つにしては照準自体が弱弱しすぎる。三浦百恵さんが嫌な過去を思い出さなきゃいいが。
さて、こと音楽に関していえば2がリアルな事象である。高度中産階級的金の使い方としてこれもまたあまりにも弱弱しく醜悪である。安易な売り手と小金持ちの買い手が競合してひとりの歌い手を愛撫する図。歌い手山口百恵の死体が愛撫される、その周囲で何人のモモエ以外の歌い手の可能性が消え去っているか。