ブッカー・リトル 1961
ブッカー・リトルはオレのあこがれのトランペッターだ。ハードバップとフリー・ジャズのあいだで新しいメロディー・ラインを生み出そうと熱演を繰り広げた。
饗宴盤『ファイヴ・スポット』で盟友のエリック・ドルフィーがどっかりと地に足つけて吼(ほ)えるグリフォンだとすると、このブッカー・リトルのペットはウネりながら火を吐く龍である。もっともドルフィーもバスクラリネットでバラードを吹くときなんかは太古の巨大トンボの羽ばたきみたいな音を出すが。
立った場所に安住せず飛び立とうとすること。リトルの音はそういうことを教えてくれるノダ。狭い狭いとうよりも進んで壁を壊しましょうとか。イマこうして聴くと小さいが穴はしっかりと開いていて向こう側が見えると思う。
バラードのM4はクリフォード・ブラウンとリー・モーガンが一人になったような端正でブルーズ・フィール溢れる演奏。他のメンバーも若々しくていいぞ。ジャズが青年だった頃。
メンバーはジュリアン・プリースター(tb)、ジョージ・コールマン(ts)、ドン・フリードマン(pf)、レジー・ワークマン(b)、ピート・ラルカ(ds)。1961年8~9月NYでのリトル最後の録音。
1.
ヴィクトリー・アンド・ソロウ
2.
フォワード・フライト
3.
ルッキング・アヘッド
4.イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー
5.コーリング・ソフトリー
6.ブッカーズ・ブルース
7.マチルデ
8.マチルデ(テイク4)
9.マチルデ(テイク7)