「定常状態ーを越える」べく 「○」と何人かが音楽全般ほかよろず語り下ろし中!! / 「すべての表現するココロに捧ぐ」べくお送りしています つねに更新中!maru1978eonta@gmail.com!
by maru-eo 生きてく日々のメモ
文脈を参照して内容を割り引くことを「批判」と言います。
批判というと日本では攻撃と勘違いされがちですが、違います。 批判とは、隠されていた前提を明るみに出し、前提を取り替えると成り立たなくなることを証明して見せる営みのことを言うのです。 ●○●○●○●○●○● 宮台真司 07年12月22日 カテゴリ
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マイルス・デイヴィス 1989 ■これは良いアルバムである。 晩年のマイルスはいろいろ言われており、中期の(ってのがいつからいつとか詳しいことはいえない)「傑作の森」時代があんまりにも長すぎて、あとは好きな人は聴いてみたいな感じになりつつある。有名な『TUTU』やらホントに最後の録音になった『Doo Bap』くらいが多くの人に聴かれているくらいか。 マイルスという偉大な音楽家へ至る道は無数にあるのだろうけれど、オレなんかはわりに後期と中期を一緒に聴き始めてけっきょくグサッとやられちまったのはジョンスコとかといっしょに「ヒューマンネイチャー」とかをやっているライヴのレーザーディスク(もはや廃盤)と、コルトレーンと「SO WHAT」を録音しているレーザーディスク(『Mikes Ahead』だったと思う)。をほぼ同時に買って、毎日見つづたことによる。ようするにマイルス・デイヴィスという前へ進み続けている一生にファンになっちまったわけ。で、すぐクインシーとのモントルーでしょ。 ・音楽家マイルスが到達した場所 この『アマンドラ』の魅力はずばりマイルス臭い、ことである。どの曲も間(ま)が十分にとられた作りで、そこに全ての楽器がそれぞれのリズムをかぶせていく。同時に全ての楽器はきっちりマイルスの雰囲気のなかでプレゼンしている。マイルスも音域の狭いところで短いフレーズでしっかりと歌っている。なかには「歌いきってないからダメ」とか言う人もいるかもしれないが、インナースリーブのクレジットを見ると、各曲ごとに他のメンツと同じようにマイルスも「トランペット担当」として載っている。で、エグゼクティブ・プロデューサーとしても。ということは、これはプロデューサー マイルスの作品なんだってことがわかる。自分はたいして吹かなくてもきっちり「マイルス臭」のする作品集を作れるってのは、じつは音楽家マイルスの晩年、集大成、成熟なンじゃないか。多くのラッパ吹きが最後まで吹いて死にました、みたいな労働者や職人のようになってしまうのに比べて、なんと帝王であることよ。しかもM7にはすでにヒップホップへのリズム的アプローチが見られるのではないか。ヒップホップ・ジャズ・オーケストラといってよいような。一瞬だけれど。これ、シンセの音がチャラいとかいって聴いた気になっているのはオオマチガイなのさ。いずれの曲もしっかりとした響きとリズムがあり、フックが無数に仕掛けられている。しかもメンバー間でのインタープレイもある。つまりはジャズであり、ジャズを越えている。もしかしたらジャコ・パストリアスが辿り着けなかったところにマイルスは辿り着いた。ジャコは構成の美は『ワード・オブ・マウス』で極点に達したが、そこからはビッグ・バンドという美しさよりは激しく楽しいライヴを生んで終わってしまったわけだ。そこから地上の(地下はともかく)ジャズは、それまで進んできた道のイイトコ取りしか出来なくなったのではないか。それはいいとしても、この『アマンドラ』の境地にさえ達していない。という話はおいといて。 ・マイルスとギター マイルスはギター弾きの使い方が容赦なく巧い。ということは容赦がないってことでオメエここでビャーって弾け、とかいわれてハア、ってビャーとやると、作品としてすごく効果的でかっこよかったりする(のだろうブレリーの気分になって言うと)。で、これはたぶんジミ・ヘンへのアコガレのようなものからくるギターへのアンビバレンツと、それを越えてギターの音を全体の響きのなかでよくならすことが出来るというアレンジ・構成のセンスも感じさせる。それでもってライヴとかではちゃんとソロタイムをもうけてやるという、いまこういうこと出来る人いる? いないよ。マイルス・バンドじゃギタリストもオーケストラのシンバル奏者みたいなもンなんだ。 ・ケニー・ギャレットはコルトレーンの場所にいる 本作を通して最殊勲ミュージシャンは、なんといおうとケニー・ギャレット on Sax である。モントルーのライヴでもマイルス役のウォレス・ルーニーとは違ったかたちで、あの当時のジャズを吹きまくっていた。マイルスもケニーをかわいがっていたようだし、もっとも「マイルスにおけるコルトレーン」の位置というのが「コルトレーンにおけるマイルス」の位置のわかりやすさとくらべるとイマイチ不明瞭ながら言っちまえば、ケニーは帝王の最晩年に現れた青春のサックス吹きなのではあるまいか。M4のかけあいなんてイマ聴いても萌えるよ~。 ・これから聴くマイルスへの提案 マニアやセミ・マニアはおいといて、これからマイルスを聴こうと思っているという人は、後ろから聴いていく、というのをオススメしたい。キクチナルヨシ氏がベスト盤を作成するという話もあるが、そっちは講義として聴くとして。帝王がつきすすんだ道は太く充実していて、いまもなお全身力があると思う。ということは半端な聴き方では定年おっさんの趣味に堕するおそれがある。太い流れを現前させるためにはその流れのなかをいくこと。まず最初にモントルーのライブを聴き、どんどんさかのぼっていくと。そうすると、聴き手の耳の中には常にマイルスの歌声が鳴り響きながら、どんどん演奏は力を帯びていき、ジャズの歴史がなぜいまアツく語られるのかがわかるだろう。『ファースト・マイルス』なんかを聴いてツマラナイとか言っちゃうよりは、また『カインド・オブ・ブルー』なんかを聴いちゃって良さも悪さもよくわからないとなるようりは、ぜひ、後ろからマイルスを掘る(Digする ! )という搦め手に挑戦してもらいたい。オレはそれを楽しむにはもう遅いからさ。 いずれ、オレはこのアルバムがたいへん愛おしい。マイルスのあるやなしやの最後の完成型がここにこうして鳴っている、というキモチがする。M8のオープン(ミュートをつけない)の音 !! 何度も聴ける類の作品集であると断言する。 他のゲストもオレが知っているだけでもたいしたもの。帝王のアツい暮れ方にふさわしい一級品揃い。以下、太鼓叩き=オマー・ハキム、ドン・アライアス、笛吹=ケニー・ギャレット、弦楽器=フォーリー、ジャン・ポール・ブレリー、マーカス・ミラー、マイケル・ランドウ、鍵盤=ジョージ・デューク、ジョー・サンプル、ビリー・パターソン。 1.カテコンベ 2.コブラ 3.ビッグ・タイム 4.ハンニバル 5.ジョ-ジョ 6.アマンドラ 7.ジリ 8.ミスター・パストリアス
by maru-eo
| 2005-08-26 22:03
| JAZZ
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