三遊亭圓窓 2003.12.3
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社会描く落語の王道
カタブツの子を思いやって吉原にやる粋な大店のおとっつぁんと、ちょっとダメな感じなのに子を思うオヤジ。どちらも落語世界に生きる父親だ。
圓窓師匠は、仕草もその意味も全部話してしまうラジオ朗読のようなやり方。三遊亭円生に似てちょっと説教クサイ。古典落語と呼ばれるものがなんとなくエラソーなのは、伝統芸能だからではなくて、作為的なイメージ戦略によるという気がする昨今だ。
社会を描くことで、笑いと同時にしんみりともさせるという方法論がすこし鼻についたりもする作品集である。
キングレコード。
1.子別れ 昭和54.3.29新宿安田生命ホール
2.明烏 昭和53.4.10同上