「(前略)
この世界中に、赦すことのできるような、赦す権利を持っているような存在がはたしてあるだろうか?
俺は調和なんぞほしくない。人類への愛情から言っても、まっぴらだね。
それより、報復できぬ苦しみをいだきつづけているほうがいい。
たとえ俺が間違っているとしても、報復できぬ苦しみと、癒されぬ憤りをいだきつづけているほうが、よっぽどましだよ。(中略)
俺は神を認めないわけじゃないんだ、アリョーシャ、ただ謹んで切符をお返しするだけなんだよ」
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『カラマーゾフの兄弟』(原卓也 訳)新潮文庫 上巻 P472
イワン・カラマーゾフがなんのことを言っているのかは、読んでみてくらはい。