![]() 「定常状態ーを越える」べく 「○」と何人かが音楽全般ほかよろず語り下ろし中!! / 「すべての表現するココロに捧ぐ」べくお送りしています つねに更新中!maru1978eonta@gmail.com!
by maru-eo 生きてく日々のメモ
文脈を参照して内容を割り引くことを「批判」と言います。
批判というと日本では攻撃と勘違いされがちですが、違います。 批判とは、隠されていた前提を明るみに出し、前提を取り替えると成り立たなくなることを証明して見せる営みのことを言うのです。 ●○●○●○●○●○● 宮台真司 07年12月22日 カテゴリ
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by maru-eo
| 2005-06-11 21:04
| レ・ミゼラブル
![]() 原作は大文豪ユゴーの大傑作。パンを盗んで19年間繋がれた囚人ジャン・バルジャンの逃亡劇と養女コゼットへの愛、そこにフランス革命という時代のウネリがからむ(という物語だと勝手に認識)。物語の始めと終わりにいるのは孤独なジャン・バルジャンという大男。物語に流れをあたえるのがバルジャンを追うジャベールの執念と、フランス革命という歴史的出来事。バリケードの歌。なんだか革命をスターウォーズか何かのようにやっているように聞こえもするがそれでよいのだろうか。 フランスのアラン・ブーブリル(曲)とクロード=ミシェル・シェーンベルク(詞)の音楽でミュージカル化。『ファントム』 や 『キャッツ』 で知られる名プロデューサー、キャメロン・マッキントッシュ M9-10につづいていく対話と告白なんて、演歌みたいなメロディーを鳴らすくらいならムリして歌わなくてもよさそうなものだ。告白がきわまるたったときのために必要なんだろうけど。♪生きてゆくちかーーらーおーー、誰だあああ、おれはじゃんばる・ジャン!! だいたい言葉つきの掛け合いをやるのはむずかしいんだ、音楽では。 M11見出されるコゼットというあたらしい命と、いれかわりのように死んでくフォンテーヌ。この後のエレキ音が入ったオケのジャ、ジャーーンがかっこ悪いんだ。バルジャンのウナリはかっこいい。M21あたりの政治的なやりとりのメロディーだどっかフォーク調なのがおもしろいが、M22みたいのはあんまりだろう。 おのれを殺してでも世代を次へつなぐことをうたうM10はメロディーも言葉も美しい。自分に向かって自分が歌うバラードだね。 CDで音だけ聴いていると島田歌穂だけうますぎてぎゃくにいないほうがと思ってしまう。この人のうまさ自体も面白い。噛んで含めるような歌い方でけっこう他にいないんじゃなかろうか。 ♪愛しても思い知らされる 一生夢見るだけさ あの人あたしをいらない 幸せの世界に縁などない! 愛してる 愛してる でも一人さ M2「On My Own」 ●「革命」を凌駕する孤独なオレやアタシの物語 この時代の大きな流れの下を満たす孤独の心が主役なのである。ここにどれだけ迫れるか。マリウスなんぞはどうでもよろしい。バルジャンにとってマはコゼット嘗めでしか見えていなかっただろう。最後の告白さえもマリウスを介したコゼットへの告白である。で、コゼットというのはバルジャンにとって「神」的な次元にいる。なぜバルジャンはコゼットに告白できないのか。 ♪コゼット、パパは聖者だ ♪お前がいてくれて 静かにいま 死んでゆける ♪生きてパパ 生きるの ♪コゼット 云うとおりに生きて生きてみよう 死んだ後で「告白」を読んでくれ、とコゼットに言う。 ♪行きましょう 自由なところへ 悩みから放され バ:罪深きわが身 あなたのもとへ バルジャンの死から、大団円。その内容は革命万歳ということである。この「個人」と「時代」がたがいに交互に、絡んだり、互いに駆動させていくことで物語としての力を、そこに底流としてバルジャンの贖罪の物語が流れていく。この2つはじつは別次元の出来事である。ただ、人間が絡む。バルジャンが孤独でいようとする。が世界や時代とつながってしまう。それはコゼットがいるからだ。コゼットはバルジャンの過去と現在の愛の対象であるが、同時に未来でもある。コゼットとバルジャンはズレがある。 けっきょく出会うことのない愛が養女への愛に転化される、という構図。でもそれは報われないということだろうか。個人としての愛が、世界の未来へ対する愛に変わることを贖罪として受け入れる男がバルジャンなのだ。愛は対象が変わると別のものになるのだろうか。ひとりの孤独な個人が世界を愛する思いへ開かれるという意味では、じつは対象が誰であろうと同じことではなかろうか。 孤独なバルジャン、神からも逃げおおせて、警察や法からも見放された罪人バルジャン。名を隠し成功して人望を集めてもなお孤独で満たされないバルジャンは近代人の縮図である。 コゼットは、コゼットという個人であると「同等・同時」にバルジャンにとっての「オレの命」である。この違わなきゃいけないものを同じといいえてしまうキャラクターとしてバルジャンを生んだことがこの「レ・ミゼラブル」の出発であり、到着点だ。 ♪召しいたまえ あなたの国に ♪列に入れよ われらの味方に 砦の向こうに憧れの世界 みな聞こえるかドラムの響きが 彼ら夢見た明日が来るよ 個人の告白を革命の歌が包み込む。 たぶんミュージカルというのは、詐術的な表現であればあるほど出来がいいのだと思う。小難しく考えることはないという意味でこの舞台は完成度が高いのだろう。流れに身を任せ快楽を得る。それは良い。良いが、この物語自体はそうした大きな時代の流れに乗れない人々をより強く描いている。それらをぶち込んで流れを作る。ユゴーが考えた心理的スペクタクルをうまく作品化しているわけか。『レ・ミゼラブル』のミュージカル化としては良くできているわけだ。うまいとか下手とか、美しいとか美しくないとかそういう基準も一緒くたにぶち込まれてそうなんだけど。オリジナル版も聴かなくては。 ♪誰かを愛することは 神様のお側にいることだ バルジャンは自らの死をもって、その↑の境地に至る。同等にコゼットのマリウスへの愛によってだが、死の瞬間にそこに至ることができる。死んだ瞬間に。それを革命で絡めとろうってのには賛成できない。 ディスク: 1 1.プロローグ~囚人の歌 2.仮釈放 3.司教 4.ヴァルジャンの独白 5.第1幕~一日の終わりに 6.夢やぶれて 7.波止場 8.ラブリィ・レイディ~ファンティーヌの逮捕 9.馬車の暴走 10.裁き 11.ファンテイーヌの死 12.対決 13.幼いコゼット 14.この家の主 15.取引 16.裏切りのワルツ 17.乞食たち 18.強盗 19.ジャヴェールの介入 20.星よ 21.ア・ペ・セー・カフェ 22.民衆の歌 23.プリュメ缶 24.心は愛に溢れて 25.プリュメ街の襲撃 26.プリュメ街の衝撃 ディスク: 2 1.第2幕~バリケードを築く 2.オン・マイ・オウン 3.再びバリケードで 4.バリケードのシャヴェール 5.ちびっこ仲間 6.恵の雨 7.苦悩の夜 8.最初の攻撃 9.その夜-共に飲もう 10.彼を帰して 11.苦悩の夜明け 12.第二の攻撃 13.最後の戦い 14.下水道 15.シャベールの自殺 16.犠牲者たち 17.カフェ・ソング 18.マリウスとコゼット 19.ヴァルジャンの告白 20.結婚式 21.エピローグ ▲
by maru-eo
| 2005-06-10 19:10
| レ・ミゼラブル
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